君ならできる

君ならできる



小出義雄監督の君ならできるより

血液をよくしないと走れない
 
選手の体調を万全な状態で走らせるためには、食生活の管理も欠かせない。
 かつて高校生を教えているときに、体重を十キロ落としてレースに出したことがあった。
体を軽くしてやれば記録が仲びると思ったのだ。
 ところが、結果は最悪だった。十キロレースで予想より十分も悪かったのだ。失敗した
理由が知りたくて医者に相談したら、大声で怒鳴られてしまった。
 「何をやってるんですか、あなた、体育の先生でしょ。こんなにド貧血じゃ走れない。も
っと食べさせなさい」
 その生徒は体重を落とすために、ろくに食事もしなかったのだ。栄養不良の上に貧血が
ひどかった。そこで、「こういうものを食べさせろ、ああいうものを食べさせろ」と医者
が教えてくれた。
 以来、私は栄養学の勉強を始めるようになったのだ。料理にも興味を持ちだした。体に
とってどんな栄養が必要なのか。どんな食べ物を食べればいいのか。
 おそらく、マラソン選手の監督として、私はいま世界で一番いいものを食べさせてい
と思う。高橋にもTもっと食べろ」といいつづけている。
 栄養学を知らない人は、痩せれば走れると思っているが、そうとは限らないのだ。もっ
と体重を落とせとはいうものの、体重は練習だけでは落ちない。そこで、食べるのを抑え
ることになる。だから、栄養不良とカルシウム不足になって、骨折したりするのだ。
 私は、美味しいものを口から食べて、胃で消化して、吸収して、その子不ルギーが本当
に力になると思っている。だから、高橋にはいっぱい食べさせているのだ。
 人間の体というのは、すべて血液が物語る。血液の値がよくないと走れない。貧血状態
では夜すぐ眠くなってしまうし、学校に来てもあくびばっかりしている。あくびというの
は酸素が足りない、もっと酸素が入ってこないかというときに、グアーツと大きな呼吸を
して新鮮な酸素を脳や血液に送り込む生理作用なのだ。人体の仕組みは、じつにうまくで
きている。
 血液の値をよくするためには、なんといっても食事と栄養が肝心だ。
 払は選于たちに、句のものを食べなさいというが、そのほかに赤いものや、緑、黄色い
ものなどをすすめている。また、血液には赤血球もあるし、白血球もあるし、血漿もある。
それらが何からできるかといえば、タンパク質である。
 タンパク質には植物性タンパク質と動物性タンパク質がある。そこで、植物性タンパク
質の宝庫である大豆をはじめとした豆類や、良質の動物性タンパク質でありビタミンの多
い豚肉とかウナギ、脂肪の少ない牛のヒレ肉とか、あるいは鶏の肉を食べさせる。
 同じ肉でも霜降りのいいところは脂をたくさん含んでいて、みんな脂肪に変わってしま
うから、できるだけ脂肪の少ないヒレ肉か、鶏を選ぶのだ。
 ともかく良質のタンパク質をたくさん摂らせる。おそらく高橋もほかの選手も、ふつう
の人の倍は食べているのではないだろうか。
 朝から肉を中心に、魚や卵、鉄分を多く含んだヒジキとか、体にいいものをきちっと食
べる習慣をつけている。
 私は、選手の食生活まで気を配る栄養士でもある。



genre
スポーツ
theme
陸上競技

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